名古屋オルクスが怒涛の攻撃で14点をあげる快勝。中屋敷&ゲンドノフのコンビがXHLを代表するスーパープレー連発で、名古屋のホームゲームを大いに盛り上げた
TEXT by EXTREME ICE HOCKEY LEAGUE(XHL)
EXTREME ICE HOCKEY LEAGUE (XHL) 2025 -26
GAME REPORT #05
2025年11月1日(土)19:50 邦和みなとスポーツ&カルチャー (愛知県)
中屋敷&ゲンドノフの迫力ある攻撃はまさに名古屋オルクスの看板コンビ。滋賀ブルーライズIHCは第3ピリオドに佐曽谷キャプテンがあげた1点に成長の跡。3×3 EXTREME BATTLEも名古屋オルクスの連続得点で観客が大いに湧く
XHL開幕戦(10/12)で対戦した両チームが名古屋・邦和みなとスポーツ&カルチャーで再戦。名古屋オルクスがホームリンクに詰めかけたファンの後押しもあり、ブレイクアウト(攻撃の起点)からフォワードのシュートへと滑らかにつながるパスワークを見せるなど素晴らしいプレーの連続で序盤からアタッキングゾーンで試合を進める。しかし、滋賀ブルーライズIHCも粘り強いディフェンスで対抗する。第1ピリオドは佐々木祐希の正確かつGKの動きを見てふわりとパックを浮かせる見事なシュート、そして岡峯悠のスピードを生かしたゴールで名古屋オルクスが2点を先行したものの、滋賀ブルーライズIHCの選手も高い運動量で対抗するなどディフェンス面で進歩を感じさせる内容だった。

しかし名古屋オルクスはこの日、バトゥ・ゲンドノフが絶好調。その体格からパワフルなプレーのイメージが強いゲンドノフだが、実は細かいスティックワークや滑らかなスケーティングにも定評がある選手。第1ピリオド12分22秒には味方のパスをセンターラインで受けたゲンドノフがノーマークとなり、一気に縦へ走り相手ゴールへ一直線。相手GKと対峙したゲンドノフは強烈なスラップショットをお見舞いする……と見せかけつつ柔らかなタッチでパックをするすると右へ動かし、GKの右サイドにわずかに空いた隙間を通す技ありのゴールを決めた。これには観客席からも感嘆の声が聞こえるほど。ゲンドノフの個人技で3‐0とした名古屋オルクスが試合の主導権を握った。

第2ピリオドも名古屋オルクスの攻撃陣がますますその輝きを見せ、ゲンドノフのアシストから中屋敷侑史が彼らしい強烈なシュートで立て続けに2点を奪う。これにはこの日LIVE中継の解説を務めた菊池秀治さん(東北フリーブレイズや横浜グリッツで活躍した元トップリーガー)が思わず「この2人を見ているとNHLに見えます」とつぶやいたほどの鮮烈な印象を観客に残した。名古屋オルクスはその後もゴールに迫り続け、佐野靖也がハットトリックを達成するなどキープレイヤーがまんべんなく得点を重ね最終的には14点を積み上げた。この分厚い攻撃力、特に中屋敷&ゲンドノフのコンビはリーグトップクラス。ぜひ邦和みなとのスケートリンクで生で目撃してほしい。

XHLならではの「3×3 EXTREME BATTLE」はこの日もエキサイティングな時間に
音楽と照明が会場を彩る「3×3 EXTREME BATTLE」はこの日もファンをドキドキさせるようなプレーを見せるべく選手たちが躍動。5分間で攻守がどんどん入れ替わるバトルを展開した。
「3×3 EXTREME BATTLE」では名古屋オルクスが絶妙なコンビネーションからまずは佐々木祐希、続いてゲンドノフがゴールを奪い名古屋オルクスファンから拍手の雨を浴びていた。選手たちもこの「3×3 EXTREME BATTLE」のスタイルになじんできており、次節以降、鮮やかな個人技やあっと驚くプレーがますます飛び出す予感。ぜひ60分の試合とともに楽しんでいただきたい。
<PLAYER&STAFFコメント>
【名古屋オルクス 岡峯悠選手】
2ケタ得点ができたことが示すように、チームの総合力としても得点力は昨季よりも上がってきていると感じている。守備の面では滋賀ブルーライズIHCとの2回の対戦ともにピンチを招くシーンがあり、まだまだ改善点があるので、修正して東京ワイルズ戦に臨みたい。個人的にはチャンスをしっかり決められたし、3セット目でプレーする中で得点をできたことで1,2セットのメンバーに良い形で流れを渡せた、と思う。
【名古屋オルクス 佐野靖也選手】
(ハットトリックを達成して)ディフェンスが打ったシュートのディフレクションだったり、ゴール前の混戦だったり、といったシチュエーションが多かったので、自分自身としてもゴールにしっかり向かってプレーできていた。ゴール前のバトルでしっかりと結果を出せたと思う。次は東京・ダイドードリンコアイスアリーナでの対東京ワイルズ戦だが、大学時代から氷に乗っているリンクではあるので、その感触を思い出しながら、ロースコアで勝ちきれるようにしっかり準備していきたい。