
名古屋オルクスが東京ワイルズに初勝利! 名古屋GK丹治が好セーブを連発し2-1で逃げ切る。東京ワイルズは初の東京開催だったが1点及ばず
TEXT by EXTREME ICE HOCKEY LEAGUE(XHL)
EXTREME ICE HOCKEY LEAGUE (XHL) 2025 -26
GAME REPORT #07
2025年11月22日(土)18:30 ダイドードリンコアイスアリーナ (東京都)
東京ワイルズ 1-2 名古屋オルクス
佐野靖也の先制点&金子嵩基のパワープレーゴールで名古屋オルクスがロースコアゲームを制す。東京ワイルズは池田が超美技のショートハンドゴールで追いつくも1点差で今季初黒星
東京・ダイドードリンコアイスアリーナ(西東京市)で初めて行われるXHL(EXTREME ICE HOCKEY LEAGUE)の試合となったこのカードは、992人と多くの観客が会場に詰めかけて非常に熱気ある雰囲気のなか開催された。東京ワイルズ念願の東京での初試合とあって西東京市や東大和市からなど地元のファンが熱い声援を送るなか、東京ワイルズ応援アンバサダーのアイドル「chuLa」のメンバーもオープニングから華を添えた。

試合開始から序盤はホームの東京ワイルズが積極的に攻勢に出て第1ピリオド7分くらいまで優勢に試合を進める。しかし名古屋オルクスは堅い守りで対抗し、特にGK丹治大輝が最後の砦となり東京ワイルズの攻撃を跳ね返していく。ピリオド中盤以降は流れを押し戻し始めた名古屋オルクスがペースを握り、中屋敷侑史&バトゥ・ゲンドノフのパワフルなコンビが何度もチャンスを演出するように。すると15分51秒、ゲンドノフがゴール裏で粘ってチャンスを作り中屋敷へ。そして中屋敷がゴール前へ送ったラストパスを最後は佐野靖也が押し込んだ。この3人のコンビネーションから生まれたゴールで名古屋オルクスが先制点を奪い取り、第1ピリオドはそのまま名古屋オルクスの1点リードで終える。

その後は両チームともに高い集中力で守りあう展開。とくに名古屋オルクス守備陣の頑張りが光り、東京ワイルズの決定的なシュートも身体を張って防いでいく。ダイドードリンコアイスアリーナで初めてアイスホッケーを観戦するという方々も多く見守るなか、観客も1点を争う緊張感たっぷりの試合展開を十分に堪能している様子だった。
試合が動いたのは第2ピリオド中盤に入ってから。1点を追う東京ワイルズは14分25秒にペナルティで1人少ないショートハンドのピンチ、名古屋オルクスにとってはパワープレーのチャンスを迎える。そのパワープレーが始まった直後、名古屋オルクスが一気呵成に攻め込もうとしたところで、自陣でパックを奪い取った東京ワイルズ・池田一騎が反撃開始。絶妙のハンドリングで目の前2人の選手を抜き去ると、さらに猛然と加速してノーマークとなり、オルクスGK・丹治の守るゴール前へ一気に突進。GKと1対1の勝負となったところで池田はまず1本目のシュートを放つと丹治もこれに対応し右足のレガースにパックを当ててそれを防いだが、池田はそのリバウンドをさらに叩く。これが見事にゴールをとらえて東京ワイルズが待望の同点ゴール! 現在XHLのゴールランキングトップを走る池田がその個人技、得点力をまざまざと見せつけるファインゴールで試合は1-1のふりだしへと戻った。
しかし同点に追いつかれた名古屋オルクスのパワープレーはまだ1分50秒ほど残っており、名古屋の各メンバーも得点への意欲は失っていなかった。改めてこのパワープレーでの攻撃の組み立てを確認すると、直後に名古屋オルクスがビッグチャンスを作る。自陣からパックを持ちあがる展開からまず鍜治優将がシュートし齋藤輝が詰める波状攻撃。さらにGKがはじいたリバウンドを右サイドの角度のないところから思い切って金子嵩基が叩くとGKも対応が間に合わず、これが値千金の勝ち越しゴールに。これで名古屋オルクスが再び2-1と勝ち越しに成功。この試合の山場が凝縮された2分間のパワープレーの攻防だった。
第3ピリオド、初の東京ホームゲームで負けられない東京ワイルズは1点差を追いつくべくさらに攻撃のギアを上げていく。しかし、この日は名古屋オルクスGK・丹治が最高のパフォーマンスを見せて、東京ワイルズのシュートに対しても的確に対応しチャンスの芽を摘み取っていく。

試合残り3分を切っても名古屋オルクスの守備は乱れず、なかなか東京ワイルズは6人攻撃に出ることもできない。そして残り50秒でワイルズがGKをベンチに上げて6人攻撃を仕掛けたものの名古屋オルクスはニュートラルゾーンで次々と東京ワイルズのパスを寸断し跳ね返す。そして試合終了のカウントダウン。2-1と1点差を守り切り、最後は名古屋オルクスが初めて東京ワイルズから勝利をもぎ取った。
試合が終わると同時にGK丹治のもとに名古屋オルクスのメンバーが集まり丹治を祝福する輪ができた。リーグ初のアップセットゲームとなり、まさにXHLの歴史に残る試合となった。
音楽と照明が会場を彩る「3×3 EXTREME BATTLE」はこの日、東京のリンクで初のお披露目。5分間でのエキサイティングな展開に多くのファンがアイスホッケーの新しい面白さを目撃した。「3×3 EXTREME BATTLE」では開始直後に名古屋オルクス・金子嵩基が一気にフェイスオフから相手パックを奪い取るとゴールへ突進し最後は相手GKも突破してゴール。まさに一瞬のスキから得点を奪うエキサイティングなプレーを見せつけてくれた。鮮やかな個人技やあっと驚くプレーがますます飛び出すこの「3×3 EXTREME BATTLE」もぜひ60分の試合とともにXHLならではのエンターテインメントとして最後まで選手とともに観客席でも盛り上がり、楽しんでいただきたい。