日本アイスホッケー新時代! 記念すべきXHL開幕戦は名古屋オルクスが2ケタ得点で滋賀ブルーライズIHCをくだしXHL最初の勝利チームに
TEXT by EXTREME ICE HOCKEY LEAGUE(XHL)
EXTREME ICE HOCKEY LEAGUE (XHL) 2025 -26
GAME REPORT #01
2025年10月12日(日)13:30 木下カンセーアイスアリーナ (滋賀県)
滋賀ブルーライズIHC 1-11 名古屋オルクス
XHLのファーストゴールは佐野靖也(名古屋オルクス)。11-1と猛攻を見せた名古屋が快勝。滋賀ブルーライズIHCは村上大雅による一撃がファンを沸かせ、新機軸「3×3 EXTREME BATTLE」に会場も大興奮
“氷上に、熱狂を。”
スポーツの枠を超えた「次世代型エンタメリーグ」として日本に新しいスポーツ文化を根付かせるための挑戦を行う新リーグ、EXTREME ICE HOCKEY LEAGUE(XHL)が滋賀・木下カンセーアイスアリーナで開幕。ホーム滋賀ブルーライズIHCの活躍と新リーグの幕開けをともに楽しもうと多くの観客がリンクに訪れるなか試合がスタート。
緊張感あふれる雰囲気のなか記念すべきXHL初のゴールを決めたのは名古屋オルクス・佐野靖也。第1ピリオド1分32秒にブルーライン付近右サイドから鋭いシュートを放ち、見事にパックはゴールネットに突き刺さった。このゴールで緊張感もほどけたのか名古屋は一気に滋賀ゴールに攻め込んで次々と得点を奪う。第1ピリオドに計5点、第2ピリオドにも4点を積み重ね、その強さをファンに披露した。
ホームリンクのファンによる声援を受け、滋賀ブルーライズIHCの反撃が実ったのは第3ピリオド7分57秒。相手ディフェンスに対して2対1となる数的優位の形を作りながらアタッキングゾーンに切り込むと、最後は村上大雅が左サイドから身体を反転しつつシュート。このパックがゴールネットをとらえ、滋賀ブルーライズIHCの歴史を切り開くゴールを決めた。
最終的にはさらに得点を積み重ねた名古屋オルクスが11-1で勝利し勝ち点3を獲得。記録にも記憶にも残るXHL初の勝利チームとなった。
さらにXHLでは正規60分の試合後に「3×3 EXTREME BATTLE」を開催。これは世界でもXHLが先駆的に始めた新機軸。3on3の試合を5分間行い、そのパフォーマンスで年間を通した個人賞を授与するというもの。音楽と照明の演出がなされるなか3×3ならではのスピード感とスリルにあふれる試合展開には観客も身を乗り出したり一緒に手を振ったりしてプレーヤーと心を1つにして楽しむ時間となった。
開幕戦での「3×3 EXTREME BATTLE」は残り40秒を切った大詰めで名古屋オルクスの鍛治優将がパックを持つと一気の加速で左サイドを駆け上がりデイフェンス3人を置き去りに。鍛治はそのままシュートまで持っていき、GKの右サイドを打ち抜く見事なゴール。この鍛治の活躍で1‐0とした名古屋オルクスが本選に続いて3×3も制した。「3×3 EXTREME BATTLE」は今後も全試合で行われる。
これまでアイスホッケーを見る機会が少なかった地域で興行を行い、より多くのファンにアイスホッケーを知ってもらうことを目指して始まった新リーグ・XHL。この日の観客は日本アイスホッケー界の歴史において転換点となる試合を目撃したのかもしれない。
<PLAYER&STAFFコメント>
【名古屋オルクス 佐野靖也選手】
XHLで初めてとなるゴールを決めることができて率直に嬉しい気持ちでいっぱい。ラインメイトとは「どんどんゴールに向かっていこう」と意思統一して臨んだ試合だったので普段はシュートを打たない判断をする状況だったが思い切って打ち、味方の良いスクリーンプレーもあったので得点できたと思う。立ち上がりからチームとして全体的に良いリズムでプレーでき、この試合に懸けていた選手の気持ちをうまくプレーに乗せることができた。ただ、前半は良かったが試合終盤に守りが崩れるシーンもあったのでそこは課題として修正していきたい。
【名古屋オルクス 中屋敷侑史選手】
ハットトリックを超える4得点を奪うことができて良かった。嬉しさも感じている。ただ、内容的にはダブルハットトリックも狙えたのではないかと言えるくらいの手ごたえがあったが、その部分で点を取り切れなかった悔しさもあるので、まだまだ続くシーズンを見据えてプレーを磨いていきたい。バトゥ選手と十文字選手とのラインは組み始めてまだ間もないので、もっとフォーメーションを練りこんでいけばさらに良くなると思う。
【名古屋オルクス 佐藤育也ヘッドコーチ】
1勝できたことはチームにとっても選手個々にとっても大きい1歩だが、この1勝だけのためにオフシーズンを頑張ってきたわけではないので、XHL初代王者になるためにまた努力を続けていく。昨季は課題だったスコアリング(得点力)について、今季は新チームの滑り出しから2ケタ得点という結果が出たことは評価している。
【滋賀ブルーライズIHC 佐曽谷哉太キャプテン】
試合の準備をはじめ多くの方々の協力をいただきながらXHLがホームの滋賀で開幕できたことには格別な思いがある。支えてくれている皆さんに深く感謝している。試合は点差が開いてしまったが、その状況でもスタンドに詰めかけた観客の皆さんが最後まで帰らずに応援してくれて滋賀の温かみを感じたし「このファンの方々をがっかりさせるような結果にしてはいけない」と改めてチーム全員が心に誓った試合だった。この思いを忘れずに強いチームを目指して一歩一歩着実に進んでいきたい。